2-4.恐竜ー絶滅の原因

第2章 恐竜

2-4.恐竜ー絶滅の原因

水は、いよいよ地の上に増し加わり、天の下にあるどの高い山々も、すべておおわれた。水は、百五十日間、地の上にふえ続けた。また、彼は水が地の面から引いたかどうかを見るために、鳩を彼のもとから放った。鳩は、その足を休める場所が見あたらなかったので、箱舟の彼のもとに帰って来た。水が全地の面にあったからである。彼は手を差し伸べて鳩を捕え、箱舟の自分のところに入れた。(創世記7:19,24, 8:8-9)

 かつて地球上に生存していた恐竜は絶滅したと、多くの人々は考えています。複雑で強く充分に発達を遂げた動物群が、地上に生存した証拠を化石記録として残した後に動物界から消え去っているのです。恐竜はいつ、どのようにして絶滅したのでしょうか?

 ほとんどの進化論者は、恐竜は6,500万年前に死に絶えたと考えています。絶滅の原因として外因説と内因説があり、絶滅に要した期間に関しても、突発的な出来事により瞬時に絶滅したとする説と、長期間をかけて徐々に絶滅したとする説があります。

 隕石の衝突爆発説では、直径1万メートル、重さ約1兆トンの隕石が、メキシコのユカタン半島付近に高速で激突したという説で、その爆発エネルギーは、米ソ両国がかつて保有していた核弾頭を一挙に全部爆発させたエネルギーの約10万倍にも及ぶと推測されています。この隕石落下によって、地球表面が激変したというのです。仮に、このような爆発があったとしても、恐竜など動物に及ぼした影響はやはり部分的で、地上の恐竜全体に及んだとは考えられません。

 何万年~何百万年という長期間に徐々に絶滅したという説には、例えば繰り返して起こった連続的な火山噴火説があります。絶滅の原因に関する、その他様々な仮説としては、外因説には火山活動によるオゾン層破壊や火山灰・小惑星の衝突・気候変動・有毒ガス・太陽活動の激化や低下・大気組成の異変・酸素濃度の変化・地球内部の大変化・北極海の氾濫・月の大噴火・地球磁場の逆転等々、数多くあります。内因説(内因の多くは外因により誘発されたもの)としては、気候変動による生殖能力の低下・ホルモン異常・便秘・脳の萎縮・食中毒・奇形の多発・種の寿命(DNAの老衰)・餓死・食べ過ぎ・集団自殺・寄生虫感染等々、これも数多くあります。ただし、これらはすべて想像で、それを裏付ける証拠はありません。

 また、「一定の周期で生物の大絶滅が繰り返される」という周期説が提唱され、恐竜の絶滅はその一例であると考えられました。大絶滅の原因としては、「多数の彗星が地球に衝突して大異変をもたらすため」等と考えられており、すべての生物は、この世に出現し、進化し、そして滅び去るという宿命を持っているとも推測されています。

 地球規模に及ぶ気候の急激な変化や、動物の生存に必要な条件の破壊が恐竜絶滅の理由であるという説がしばしば提案されていますが、そのような大変化が起こった原因について、進化論では明確な説明はできていません。

 前回お話した地球全体を覆ったノアの大洪水の記録によると、陸地のすべての動物は死に絶えて、全種類の動物のうち選ばれて箱船に入った個体だけが、洪水を生き延びました。洪水前の地球には、恐竜も含めて動物が快適に生活出来る理想的な自然環境、温暖な気候が備えられていました。しかし、一年に亘り全地上を覆った洪水後の地球は、洪水前と全く違ってしまいました。「上の水」と聖書に記述されている水が全部地上に降り注いで、上の水が無くなったために、温室効果が弱まり、そして、温度の変動が地上全般に広がりました。洪水の影響が数百年にわたって続き、地震、火山噴火、洪水などがあり、氷河時代が起こりました。気候・生息環境が激変したため環境に適応出来ない動物は少しずつ生存に困難が生じ、食料となる植物も、環境に適応出来ないものは絶滅していき、食物を得るための生存競争が始まりました。

 このような理由から、さまざまな種類の動物が絶滅していき、今日恐竜と呼ばれている動物群も同様に絶滅してしまったと考えられます。恐竜は自分では体温調節が出来ない変温動物と考えられ、生息条件は環境の温度に左右されました。地球の歴史上、常に起こってきたことは、進化論で仮定しているような新しい種類の動物の誕生ではなく、絶滅であると言えます。事実、歴史上も現在も多くの動物が毎年絶滅していっており、又絶滅の危機にある動物が現在多数いることは周知の事実です。生物が創造されたときには、「生めよ、ふえよ、地を満たせ」と大きな祝福に包まれていましたが、世界は全く違ったものになってしまったのです。


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恐竜に関する参考文献:
「進化は本当に起こったか?」シルビア・べーカー著;「恐竜の謎と聖書」ケン・ハム著;「恐竜」ケン・ハム著・創造科学研究会季刊誌;「創造論の世界」久保有政著;「地球と宇宙の雑学事典」日本実業出版社刊;「生命と進化」松野善雄著;「恐竜絶滅論」&「恐竜の不思議」斎藤 彰著