2-1. 恐竜本当に恐ろしい動物?

第2章 恐竜

2-1. 恐竜本当に恐ろしい動物?

さあ、河馬を見よ。これはあなたと並べてわたしが造ったもの、牛のように草を食らう。見よ。その力は腰にあり、その強さは腹の筋にある。尾は杉の木のように垂れ、ももの筋はからみ合っている。骨は青銅の管、肋骨は鉄の棒のようだ。これは神が造られた第一の獣、これを造られた方が、ご自分の剣でこれに近づく。(ヨブ記40:15-19)

 巨大な動物の話の代表格は、昔はガリバー旅行記でしたが、今はSF小説や漫画などに様々な巨大生物が登場します。例を挙げると、畳一畳もの大きさをした肉食植物、人間より大きいトンボ、ジェット機大の恐ろしい毒蜘蛛などだけでなく、巨大動物の代表として恐竜が登場します。これら巨大生物はすべて架空の存在でしょうか?それとも実在したのでしょうか?実は全部ではないにしても、又誇張された作り話ほどでなくても、それら多くの巨大な生物の化石が発見されており、かつて実在したことが証明されています。哺乳類にもクマ、ラクダ、ヒョウ、ブタ、サイ、ゾウ、トラ、オオカミなど、現在の二倍もある巨大な類似型が発見されています。巨大な鳥の化石と巨大な昆虫(羽を広げると50-80センチメートルにもなるトンボ)の化石が共に発見されています。そして、爬虫類の中では、巨大なカメと共に巨大な恐竜の化石が発見されています。

 1820年代、いくつかの珍しい形をした歯と骨が岩石層から発見され、1841年までに約9種類の変わった爬虫類の化石が発掘されました。巨大な骨から連想されて「恐ろしいトカゲ」と命名された化石の一つはイグアノドンで、その骨格を復元すると、体長9メートル、体重4.5トンにもなりました。その後、様々な大きさの恐竜の化石が世界各地で発見されました。恐竜は昔々、実際に生存していたのです。  

 恐竜はその名前の通りに、恐ろしい動物だったのでしょうか?発見された化石から類推される恐竜の特徴を少し述べましょう。広く流布されている恐竜の想像上の姿に反して、実に様々な大きさのものがいました。ニワトリ位の小さいものから、体重80トン、体高12メートル以上の、大きさだけを言うなら恐竜の名に恥じないものもいました。形態はほとんどの爬虫類と足の付き方が大きく違っています。ワニなどの足は身体から横に出ていて腹這いをして歩くのに対し、恐竜は身体から足がまっすぐ下に伸びており、ウシのように身体を下から支えて歩く体型をしていました。

 恐竜は何を食べていたのでしょうか?肉食だったでしょうか?映画や漫画で残忍に描かれているように、恐竜は鋭い歯を持っているので、人間や動物を食いちぎって、口から血を滴らせて食べていたのでしょうか?

 一般には、肉食恐竜は、哺乳類、草食恐竜、トカゲ、屍肉、昆虫などを食べていたのに対し、果実、針葉樹、広葉樹、ソテツ、シダなどを食べていた草食恐竜が、雑食恐竜と共に多く生存していたとされます。また、肉食であるか草食であるかということと、身体の大きさとは全く関係がなかったようです。

 それでは、今日生存している鋭い歯をもつ動物を考えてみましょう。ある種のクマやパンダなどは鋭い歯を持っていますが草食であり、果物や植物に穴をあけたりすすったりするのにその歯を使います。 ちなみに、すべての動物(恐竜や現在肉食であるライオンやトラなども含め)は、草食動物として創造されたことが創世記に書かれています。創世記に海の巨獣と書かれている海竜は創造の第5日(創世記1:21)に、陸の恐竜は第6日(創世記1:24)に創造されたと考えられます。それは約6,000年前のことでした。ヨブ記(40:15-19)に「河馬」と翻訳されている動物は、腰と腹の筋肉は強く、杉の木のような尾が垂れており、骨は青銅の管、肋骨は鉄の棒のようだと描写されており、まさに現在恐竜と呼ばれている巨大な動物、例えばブラキオサウルス(体長21メートル、全高12.6メートル、体重80トン)そのものであることが分かります。

 次回以降に、恐竜はいつ、どのようにして出現したのか、いつまで生存していたのか、どのようにして化石が出来たのか、何故絶滅したのかという点について、お話します。