6-37.寿命に及ぼした影響

第6章 ノアの洪水

6-37.寿命に及ぼした影響

箱舟から出て来たノアの息子たちは、セム、ハム、ヤペテであった。ハムはカナンの父である。この三人がノアの息子で、彼らから全世界の民は分かれ出た。さて、ノアは、ぶどう畑を作り始めた農夫であった(創世記9:18-20)。

 裁きとしての洪水預言、箱船建設命令に始まり、箱船生活・水が引いた後の礼拝、洪水後の地上の様子、そして主の指令・新たな契約と祝福などを共に学んできました。
洪水後の世界のことは聖書にはあまり記載がありません。洪水後ノアは農夫となったこと、ノアの醜態に対して末の息子ハムが非礼な行動をしたため、ハムの子孫へのノアの呪いが簡単に書かれています。
ノアは洪水後、実に三百五十年も生きて、総計九百五十年の長寿を祝福されたこと、全世界の人々はこの人々から生まれ、広がっていったことが記載されています。

 荒廃した地球が再び豊かな地の産物を生み、動物たちを支える地球に復活するまでのノアたちの生活には聖書は触れていません。
しかし御約束により地上の復活が保障され、大きな祝福の中で地球再生の道を歩んだことは歴史に明らかです。
「荒涼たる世界」において、洪水後の地球を取り巻く環境を描いてみました。
地球を取り巻く大気の変化、有害な宇宙線の地上への照射、地上の高低差、水と陸の分布の変化、劇的な地上環境の悪化、そして植物にも動物にも生きていくのには厳しい環境になりました。


 永遠のいのちを与えられた人が罪を犯した結果、必ず死ぬと定められましたが、それでも、成人として造られたアダムは九百三十年のいのちを与えられ、また子孫たちは、九百五十年生きたノアに至るまで今の私たちの感覚では永遠にも思える長寿を祝福されました。
例外として、「エノクは神とともに歩んだ。神が彼を取られたので、彼はいなくなった」と、三百六十五歳でエノクはいなくなりましたが死んだのではありません。

 アダムからヨセフまでの人々の寿命を図に示しました。
洪水(星印)の後、ノアの子供のセムは六百歳で若死にし、その後人々の寿命は劇的に短くなっているのが分かります。
洪水の三百年後に生まれたアブラハムの寿命は百七十五年、妻のサラは百二十七年です(創世23:1)。
イサクは百八十歳、その子ヤコブは百四十七歳で死にましたが、二人とも死ぬ前には激しく老いぼれていたことが記録されています。ヨセフはさらに若い百十歳で死にましたが、これは現代の人々が理解出来る年齢です。


 代表的なこれらの人々の寿命と共に、後継者を生んだ年齢と聖書箇所を表に示しました。
最初の子供が出来た年齢は分かりませんが、後継者を生んだ年齢はアダムの百三十歳に始まり、ノアは実に五百歳で後継者を生んでいます。
しかし、これが特別のこととして記述されていませんから、この年齢で子をなすことは自然な出来事だったのでしょう。
ところが洪水三百年後のアブラハム夫妻は、九十歳で普通には子供が出来る年齢ではなかったと、事細かに記録されています。
ですから百歳でイサクを授かったのはあくまでも主の恵みによる「奇跡」だったのです。
人の生命力が洪水後にこのように衰えたことは、寿命と共に子供を作る能力からも明らかに見ることが出来ます。

動物に関する寿命の記録はありませんが、動物にも同じことが起こったと考えるべきでしょう。不老不死に作られた動物にもまず死が入り、洪水によって極度に悪化した生活環境はもろに動物たちを襲ったでしょうから、生命力が弱まり、また寿命が徐々に短くなって現在のような寿命に収まったと考えられます。