6-41.放射性同位元素法の功罪
水は、いよいよ地の上に増し加わり、天の下にあるどの高い山々も、すべておおわれた。水は、その上さらに十五キュビト増し加わったので、山々はおおわれてしまった。こうして地の上を動いていたすべての肉なるものは、鳥も家畜も獣も地に群生するすべてのものも、またすべての人も死に絶えた。いのちの息を吹き込まれたもので、かわいた地の上にいたものはみな死んだ。こうして、主は地上のすべての生き物を、人をはじめ、動物、はうもの、空の鳥に至るまで消し去った。それらは、地から消し去られた。ただノアと、彼といっしょに箱舟にいたものたちだけが残った(創世記7:19-23)。
放射性同位元素による年代測定法を、ウランの放射崩壊を例として説明しましょう。
採取した岩石の成分分析をして、各元素の量を決定します。各成分は時間と共に放射崩壊しますが、それぞれの最初の量と半減期が分かっておれば、現在量に達するのにどれだけの年数を要したか、即ち岩石の年代が算出できます。
ところが、放射性同位元素法すべてに共通している問題は、幾つかの仮定を設けなければ計算できないことです。
①最初に存在した各々の物質量が不明なので任意に仮定し、
②ウランと鉛が放射崩壊以外の方法で増減していないと仮定し、
③全てのウランの半減期を50億年と仮定します。
ところが、
①岩石が最初に鉛を全く含んでいなかったか、50%であったかという仮定の違いにより、計算値は大きく変動します。
②ウランはしばしば弱酸に溶けやすい状態で存在するので、放射崩壊のみで失われるのではないことが証明されています。
③測定不能な50億年というウランの半減期自身が証明されていません。
このようにウランを用いての測定法は難点が大きすぎて捨てられ、幾つかの代案を経て、カリウムーアルゴン法が一時広く採用されました。
これは放射性カリウムが崩壊して安定なアルゴン(空気中にも微量存在する不活性ガス)になる性質を利用した測定法です。
カリウムの半減期は13億年と仮定しますが、この大きな半減期にウランと同様の問題があります。
又、アルゴンは容易に岩石に吸収されますが、空気中のアルゴンに由来する量が不明ですから、測定されたアルゴンの何パーセントが放射崩壊によるものかが分かりません。
これらの測定法で算出された岩石の年代の具体例を見てみると、放射能による年代測定法が致命的欠陥を持っていることがよく分かります。
1800-1801年に形成された(僅か200年に過ぎない)ハワイのファラライ火山の溶岩を、カリウムーアルゴン法で測定すると1億6千万年~30億年前という結果が得られています。
世界中の様々な地域で過去二百年の間に形成された若い火山岩についても多くの研究者によって測定され、0.1~100億年という、事実とは無関係な年代が算出されています。
数多くの間違った仮定と、「進化」の仮定に立って決定した「地層の年代」が、いつの間にか科学的事実であるかのごとく錯覚されてしまい、「地層の年代、即ち仮定」に寄りかかって、「数十億年の進化、即ち初めの仮定」を信じるという「様々な仮定」だけの中で堂々巡りが展開しています。
このように科学的だと思われている地層の年代は科学的ではなく、これらの方法では測定不能であると結論するのが、最も科学的な結論であろうと思われます。
さて、化石の年代測定ですが、このようにして推定した地層の年代と化石の年代は同一であると仮定して決定されました。
こうして標準化石(示準石)を設定して、例えば、5億年前の地層から出土したので、5億年前の化石であると絶対基準にしてしまい、別の場所でこの化石が発見されると、それは5億年前の地層だと決定するという堂々巡りがここにもあります。
化石の年代測定に使われる炭素14法は、放射性同位元素法の中で信頼度が高いとされています。炭素14は半減期5,700年で、数千年位までは相当正確に測定することが可能で、年代の判明している考古学的資料や文書との比較によって信頼性が確認されています。
人類などの化石のこの方法による年代測定結果は、
①「人類の遺骸は長く見積もっても2~4万年」(ウォレット・リビー、炭素14法を考案、ノーベル賞受賞)、
②ホモ・サピエンスの最も古い化石の頭蓋骨は8,500年(進化論者が20~30万年としているもの)、
③いわゆる有史以前の化石、ネアンデルタール人、クロマニョン人、マンモス、化石の木、石炭などを数百人の科学者が測定し、全て僅か数千年の古さであることが報告されています(E・ハロンクウィスト)。
放射性同位元素法は正しく用いた場合は、非常に有効な測定法ですが、使い方を間違うと出口のない迷路の中に人々を閉じこめてしまいます。
①使ってはならない重大な仮定を使い、
②仮定に基づいて算出された数値を別の資料と照合・検討せず、
③科学的で正しい方法だと信じて疑わないと、迷路の中にいることさえ自覚できなくなってしまうのでしょう。
「進化は正しい」と固く信じて、進化論に合致しないという理由で数千年という数値を無視しているのです。
進化という崩したくない大前提の中で、これら何千万~何億年という間違った実験結果が科学という名前をつけられて彷徨い歩いているとしか考えられません。
真の科学者は、好きか嫌いかは関係なく、実験結果を直視するものです。だからこそ、炭素14法の結果が隠されずに発表されたのです。
参考文献:「進化論の争点」シルビア・ベーカー著、久保有政著、「General Chemistry」by J.E.Brady & G.E.Humiston



