1-2.祖鳥について

第1章 進化論の矛盾

1-2.祖鳥について

それで神は、海の巨獣と、その種類にしたがって、水に群がりうごめくすべての生き物と、その種類にしたがって、翼のあるすべての鳥を創造された。神は見て、それをよしとされた。神はまた、それらを祝福して仰せられた。「生めよ。ふえよ。海の水に満ちよ。また鳥は、地にふえよ。」こうして、夕があり、朝があった。第五日。ついで神は、「地は、その種類にしたがって、生き物、家畜や、はうもの、その種類にしたがって野の獣を生ぜよ。」と仰せられた。するとそのようになった。(創世記1:21 ~24)

1859年にダーウィンが「種の起源」を出版して、「生物の進化」に関する仮説を提案しましたが、当初は受け入れられませんでした。しかし、多くの研究者が進化の証拠を求めて研究を続け、科学の発展に伴って内容も変わりました。現在、ダーウィンの提唱した仮説とは大幅に異なった難解な内容を包含する「進化」が提唱されています。先端の進化研究者が初期のダーウィンの仮説をそのまま継承している訳ではありませんし、多くの人々は「事実ではなく仮説」であることを明確に表明しています。

学校教育においては、アメリカでは1925年まで教育の場で「進化論」を教えることは禁止されていましたが、日本では1877年(明治10年)に学校教育に取り入れられました。特に、第二次大戦後現在に至るまでの半世紀、「地球が太陽の周りを回っているのが事実であるように進化は事実である」として教えられてきています。進化の証拠として中学・高校で教えられているものはいろいろありますが、代表的な事例を逐次紹介して、その問題点を指摘したいと思います。これらは50年前か、10年前か今か、その教わった時期は異なっても、大勢の日本人が教室で一度は教えられ、信じたことです。

今回は有名な始祖鳥を取り上げます。初期に提唱された進化論のように「下等な生物から高等な生物へ順次に変化した」のなら、その変化の過程にある中間型生物又はその化石が発見されるはずです。そして、中間型生物の代表として位置づけられたのがドイツで3体発見された化石で、始祖鳥・最初の鳥と名付けられ、は虫類から鳥類へ進化した証拠とされました。

始祖鳥の化石の骨格は、多くの点では虫類のような特徴を持っていると主張されています。しかし、は虫類と鳥類を骨格で区別するのは実に難しく、は虫類の特徴とされる骨格はある種の鳥のグループに見られるということです。例えば、始祖鳥の胸骨は平らで、は虫類に似ているとされるのですが、完全に鳥に属するダチョウやエミューの胸骨もまさしくこのようです。

又、翼にかぎ爪を持っているのは、は虫類であることを示すと思われていましたが、今日でも、ダチョウを含め二、三の鳥のヒナもかぎ爪を持っています。

始祖鳥は複雑で込み入ったデザインが施された、完全な羽を持っています。半分は、は虫類のうろこで、半分は鳥の羽という中間段階を連想させるものはありません。発見された始祖鳥の化石は真の鳥の化石だ、と考えている科学者は大勢います。又、始祖鳥の化石が発見された地層と同程度に古い地層から、真の鳥類の化石が発見されています。したがって、「始祖鳥」と名付けられた化石は、進化論者が主張してきたような「最初の鳥」ではあり得ません。

さて、聖書によると、創造主は順次、宇宙を造り、地球を造り、光を造り、天と地を分かち、植物を造り、太陽と月と星を造り、そして5日目に水中に生きる生物と翼のある鳥を創造されました。始祖鳥と名付けられた化石の生き物は、翼があるので5日目に造られたと考えられます。そして6日目には虫類など地に這うものと野の獣などをお造りになりました。この始祖鳥の化石の生物が創造された一日後です。そして、これら被造物すべてを治めるようにと、創造主はご自身の御姿になぞらえて、最後に人間を創造なさったのです。