1-5.産業革命によって蛾が暗色型に進化した?

第1章 進化論の矛盾

1-5.産業革命によって蛾が暗色型に進化した?

そのようにして神はお造りになったすべてのものをご覧になった。見よ。それは非常によかった。こうして夕があり、朝があった。第六日。こうして、天と地とそのすべての万象が完成された。それで神は、第七日目に、なさっていたわざの完成を告げられた。(創世記1:31-2:2)

 イギリスの蛾「オオシモフリエダシャク」は、大別すると暗色型と白色型(中間色をした型もいる)がいますが、この暗色型と白色型の数の変遷が「進化の証拠」として教科書に取り上げられ、大略、次のように説明されています。「薄い色をしたコケに木の幹が覆われていた時には、この蛾の白色型は保護色となり、鳥からカモフラージュされていた。ところが産業革命後の公害によって、幹を覆っていたコケが枯れ、黒い木の幹が現れた結果、白色型は目立つようになり鳥に捕食されやすくなって減少した。逆に、暗色型はカモフラージュされるようになり激増した。また、木の幹の色でカモフラージュされていない方の蛾が、鳥についばまれる様子を映像に収めた。突然変異と自然淘汰による生物の進化が、驚くべき短期間の間に起こり得ることを示唆したものとして、今日でもよく知られている。」

 仮にこの物語が事実だったとしても、それは自然選択によって、同一種内の遺伝子頻度が変異したことを示しているに過ぎません。次々と複雑な情報が加えられていくとされているアメーバーから人への進化とは、何の関係もありません。そして実際、この蛾の体色の変化が自然選択を示しているとしても、進化の証拠だと考えている進化論者は余りいないのではないでしょうか。さて、この「自然観察と実験」として発表された内容は、あまりにも無惨な出来事であったことが発覚しています。

 第一に、木の幹に白い蛾と暗色型の蛾が止まっていて、白い蛾が保護色になっているという写真は、実は死んだ蛾を木の幹に接着して撮影したものであった、というのです。鳥に食べられるところを撮影された蛾は、実験室で育てられ、撮影者が木の幹に止まらせたものでした。これらの蛾は、非常に弱っていて温めなければならない状態でした。

 第二に、オオシモフリエダシャクは、実は、昼間はほとんど木の幹に止まらないことが、他の研究者によって確認されています。別の研究者はこの蛾の研究をしてきた25年の間、日中に見たのは2匹だけでした。他の研究者は誰一人、昼間にこの蛾を見た人はいませんでした。この蛾は昼間、葉の茂みの中や、枝の付け根の下部などで休んでいるとも言われています。

 第三に、木の幹の色と蛾の体色とに相関関係があると報告されたことについても、他の研究結果により、木の幹を覆っているコケと蛾の数には、ほとんど関連がないことが示されました。汚染されていない森の薄い色の木の幹に蛾を接着したとき、暗色型の蛾(余りカモフラージュされていない)を鳥はたくさん食べましたが、実際に網に捕らえられた蛾の数は、暗色型の方が白色型より4倍も多かったのです。存在している実数が暗色型の方が多かったので、鳥がよく食べただけだったのです。

 生物の進化を証明したいという熱心さの度が過ぎて、してしまった過ちをことさら取り上げて責め立てるのが本意ではありません。しかし、間違った情報を科学的真理として教え続けることは人を騙すことですし、これまでに教えられた間違いは人々にはっきり示される必要があると考えます。進化論に立つ者も、創造論に立つ者も、同じ正しい情報だけに基づいて考える必要があるのです。

 創世記には、創造主が宇宙、地球、植物、すべての動物、そして人の創造を、天と地と万物の創造を6日目に完了し、2章2節に創造主が完成を告げたと書かれています。