5-1.水の惑星

第5章 6日間(144時間)の天地創造

5-1.水の惑星

神は北を虚空に張り、地を何もない上に掛けられる。水の面に円を描いて、光とやみとの境とされた。(ヨブ記26:7,10)。

 美しい水の惑星・地球を、人類史上初めて宇宙から見たガガーリンは、「地球は青かった!」と感動して語りました。地球が球形であること、
そして支えるものが何もない宇宙空間に浮かんでいることが、二十世紀後半に入って、目で確かめられたのです。

 地球が「何もない上に掛けられ」て浮かんでおり、そして「水の面に円を描く」球形であることが、驚いたことには今から約三千年も前に、聖書、ヨブ記にすでに書かれていたのです。地球が球形であることについては、 箴言8:27、イザヤ書40:22にも記載されています。

このように、科学の進歩に伴って、宇宙のこと、生物のことなど様々なことを人類は学んできました。そして、知識が増える一方で、新たな疑問が湧き、未知の世界は逆に拡がっています。宇宙はどれ位大きいのか、宇宙、太陽系、そして地球はどのようにして出来たのかなど、様々な疑問に対して古い仮説と矛盾が生じるたびに、進化論に立脚して別の仮説が次々と提唱されます

150億~200億年前に、物質の塊が大爆発を起こしたことによって、宇宙に存在しているあらゆるものが生じたというビッグバン宇宙論が、昨今、脚光を浴びています。このビッグバンによって飛び散った高温のガス体が収縮して「火の玉」になり、何億~何十億年の間に冷却して地球ができたと、多くの人が考えています。しかし、この「火の玉-冷却説」には多くの科学的難点があり、地球のはじめは冷たい固体の集まりで、その後に温かくなったという低温起源説(宇宙のチリ・ゴミ説)も浮上しています。

どのような地球成因説を採用するとしても、整った地球環境・秩序が成立するまでに、進化論では何億年という長い年月を想定しており、火の玉が冷え固まって、或いは逆に低温で集まった塊が温まって、想像を絶する時間の中で地球としての秩序が確立したというのです。原子から分子へ、さらにより複雑な分子へ、それが集まり複雑化し、そして、最初の生命体である単細胞生物が、つまり生命の無いところから生命が偶然生まれたというのです。この最初の単細胞生物は、その後40億年かかって、順次複雑な生物へ、つまり多細胞生物、無脊椎動物、脊椎動物、魚、両生類、爬虫類、哺乳類を経由して、進化の最終段階で人間になったというのです。このような、地球および生物の進化はすべて、悠久の時間をかけて偶然に起こり、高等動物から人間まで出現したと進化論では考えています。

さて、宇宙、地球の創造から植物・動物そして人間の創造について、聖書にはどのように書かれているでしょうか?地球の創造の時に、大爆発があったとか火の玉が出来たなどとは書かれていません。温度だけに焦点を当てるならば、「宇宙のチリ・ゴミ」からの低温起源に該当すると考えられます。宇宙に始まり、最後に人間が創造されて完了するまでの創造の全過程は、創造主の叡智によってデザインされた通りに、秩序を持って、六日間に行われたと書かれています。それぞれの生命体は、種類毎に完成品として創造されたと書いてあるのです。

前回までに、中高生に進化の証拠として教えられていることの間違いを少しお話ししてきました。次回から、地球及びその上におかれた生命体の創造について、聖書にどのように書かれているかを共に学んで参ります。現在人類が刻んでいる時間の単位の六日間、144時間ですべての創造が完了したこと、一部の人たちの提案のように、創世記で1日と書かれているのは一時代とか千年であるとかを想定しようとしても科学的に成立しないこと、そして一日を文字通り一日と理解しないと聖書の他の箇所の記載と矛盾を生じることなど、順を追って説明いたします。


「創造」vol 1. No.1(1997), vol. 3, No.3(1999), 「科学の説明が聖書に近づいた」久保有政著、レムナント出版(1989)、「だれが宇宙を創ったか」ロバート・ジャストロウ著、講談社(1992)