5-21.創造の順序

第5章 6日間(144時間)の天地創造

5-21.創造の順序

ついで神は、「地は、その種類にしたがって、生き物、家畜や、はうもの、その種類にしたがって野の獣を生ぜよ。」と仰せられた。するとそのようになった。神は、その種類にしたがって野の獣、その種類にしたがって家畜、その種類にしたがって地のすべてのはうものを造られた。神は見て、それをよしとされた。(創世記1:24-25)


 第五日に創造主は、動物の生命を創造して、空と水に分けて住まわせられました。空に住むものの中には、コウモリなど鳥類以外の様々な動物が、また水に住むものの中には、鯨など魚以外の様々な動物が含まれていました。進化論に慣れ親しみ、束縛されている脳は、「コウモリや鯨は哺乳類だから、それはおかしいのではないか?」と考えます。このシリーズの(33)「種類にしたがって」の項を読まれたときに、そのような疑問を持った方も少なからずおられたのではないでしょうか?

 人は動物を、魚類、昆虫、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類などと、進化論的基盤に立って分類大系を確立しました。そして、人間が動物の発生・創造を考えるとき、意識に上る以前に進化論的発想法を基準にし、「進化の順序」で動物の分類を考えるので、実際の創造の順序を感覚的にさえ「おかしい」と捉えてしまうのでしょう。
しかし、人間の設定した分類とは関係のない順序で、植物も動物も創造されたのです。

 第六日、最後の日に創造主は、大地に生きる三つの部門の動物、「家畜、這うもの、野の獣」をお造りになりました。24節と25節でこれら動物のリストの順序が入れ替わっていることから、これらを一括して同時に造られたと考えられます。「家畜」とは、牛、馬、山羊、ラクダ、犬、猫、羊、その他、既に絶滅してしまったかも知れない家畜なども含め、人の生活に密接に関わって生きていき、多分飼育できる動物を指していると思われますが、人をお造りになる前にこれらを選んで造られたのは興味深く思われます。

 この地上に人を住まわせる目的のために(イザヤ45:18)、宇宙や地球、そして地上の植物や動物などすべてを創造なさったのですから、人の生活に役立つ動物、身近にいる親しい動物として、これら家畜を特別に造られたのでしょう。
 這うものとは、大地の表面に接して、這ったりのろのろ歩くすべての動物を、つまり、昆虫や小さな爬虫類、多くの両生類や、恐らくモグラやネズミなどの小さな哺乳類をも指していたと考えられます(レビ記11:29-31、参照)。

 昆虫には飛ぶものもいますが、それでも幼虫の時には這いますから、這うものの中に入れてもいいでしょう。進化論では、鳥類の前に昆虫、両生類、陸生爬虫類などのすべてが出現したとしています。
しかし、これらの動物の出現する前日に鳥類は造られたと、創世記は述べているのです。鯨など水に住む哺乳類も前日に造られています。
家畜と区別して造られた野の獣とは、ライオンや象のような大型野生動物を指すと共に、絶滅したと思われる恐竜など大型爬虫類、野ロバ、鹿、狐、狸のような中型野生動物も含まれていたでしょう。

 こうして、地球上に住むあらゆる種類の生き物がすべて造られ、「神は見て、それをよしとされた」と書かれていますが、これが6回目の「よし」です。全知全能であり、愛そのものであられる創造主が「よしとされた」のは絶対基準での「よし」です。現在、猛獣として生きている多くの動物が肉食しなかったのはもとよりのこと、地上には動物同士の争いはいかなる種類の争いもなかったのです。このことについては、次回少し詳しく取り扱いたいと思います。


参考文献:「創造」vol. 5, No.1 (2001);「創世記の記録」ヘンリー・モリス著、創造科学研究会