5-13.大空に輝く無数の星

第5章 6日間(144時間)の天地創造

5-13.大空に輝く無数の星

また星を造られた。神はそれらを天の大空に置き、地上を照らさせ、また昼と夜とをつかさどり、光とやみとを区別するようにされた。神は見て、それをよしとされた。こうして夕があり、朝があった。第四日(創世記1:16~19 )。

 天体の最後の仕上げは、まさに無数というべき星の創造でした。主はアブラハムを外に連れだして、「さあ、天を見上げなさい。星を数えることができるなら、それを数えなさい。」(創世記15:5)とおっしゃいました。

 現在、都会に住む人々にとって、降ってきそうな無数の星を見上げるというアブラハムと同じ幸せな体験を味わうことは、残念ながら出来なくなりました。
しかし、望遠鏡や写真技術などの発達により、銀河だけでも何百万もあることが分かっています。

 その無数ともいうべき星を創造主は造られ、数を数え、そのすべてに名前を付けられたのです(詩篇147:4、イザヤ40:26)これら数え切れない星は、大空にただ均等にばらまかれたのではなく、方角や季節、月、日、時などを知るための手がかりとして、定めた場所に一つ一つ目的を持って適切に置かれたのです。

 さて、現代の科学は、遠い星は何十億光年も地球から離れており、それらの星からの光も何十億年の時間をかけて地球に到達すると教えます。
それだけの時間をかけて光が既に到達しているのは、逆に宇宙の年齢は何十億年以上である証拠だと、進化論者は考えているのです。
又、星が常に同じでなく今も新たに生まれていることを示す例として、星が熱せられたり爆発したときに、たまたま天に観察される「新星」や「超新星」と言われる現象が上げられたりします。

 しかも、これらの幾つかは、地球から数十万光年にあると考えられている銀河の中で観察されています。
それ故、新星や超新星を生ずるような出来事が天体に起こったのは、それに応じて数十万年前に違いないというのが彼らの論拠です。

 星の年齢について、また星が何万光年、何億光年の果てしもない遠方にあるということについて、進化論に疑義を持つ人々にさえ、広く信じられているようです。
この途方もない星間距離は、どれ位信頼性のあるものでしょうか?星間距離の計算は、非常に難解で疑わしい多くの仮定に基づいて行われているに過ぎないものです。
天文学的な距離を測定できる幾何学的方法は、どんなに大目に見ても330光年位に過ぎず、したがって、これ以上の距離を計測することは出来ないようです。
更に、このように途方もない距離の全域に亘って、光が「一定の速度(真空中の光速として決定されている)」で、「直進する」という保証もありません。

 例えば、無限の距離から僅か2、3年で光が地球に到達するという、光の運動に関する相対論があり、さらに「空間のひずみ」に関してもモデルが提唱されています。
現在、星間距離はよく分かっていませんが、地球から観測可能な、一番遠い星までの距離が、仮に330光年であっても、あるいは十億光年であっても、異なった視点から考察した場合は重大事ではないでしょう。

 創造主がこの大宇宙を造り、天体をしかるべき場に置かれた目的は「地上を照らす」ことでした。
創造主が意図された通りに宇宙を完成なさるために、何百万年もの年月は必要ではなかったのです。
初めからすべてを完璧で「成長しきった」状態で創造されましたから、天体が地上を照らしたのはまさに造られた最初の時からでした。
言うならば、様々な位置に置かれた星からの光線が、地上まで到達している状態で造られたと考えられます。

 古来、洋の東西を問わず人間は、星座を占いに使ってきました。
しかし、星は占いをする目的で造られたのではありません。
星占いと実際の星座は全く関係がなく、星座の大きさはまちまちで、太陽がその星座のある所を通る期間もまちまちです。
星占いによって良いものが何か得られる筈はなく、占いの行き着く先は常に滅びなのです(イザヤ47:13~14)。

 星は、太陽や月に比べて重要性の劣るものとして聖書に書かれています。
たとえ、星が地球より、また太陽より遙かに大きいとしても、これらは地球よりもずっと単純な構造です。
ある星は、ほとんど水素とヘリウムからなり、本質的に全く単純です。
それに比べ、地球は生物が生息するように設計されており、非常に複雑で完璧な全体を構成しています。
創造の第四日が終わって、「神は見て、よしとされた」という断定的な言葉で結ばれています。
このことは、天体が完成した時、軌道を外れたり、衝突したり、どんな面においても大変動を起こしつつあるような星・惑星・衛星などはなく、すべての天体が素晴らしい安定した全体として完成されたことを示しているのです。

「天は神の栄光を語り告げ、大空は御手のわざを告げ知らせる」。(詩篇19:1 )


「創造」 vol. 2, No.4 (1998), 「創造」vol. 4, No.1 (2000)、「創世記の記録」ヘンリー・モリス著、創造科学研究会(1992)