5-17.種類に従って

第5章 6日間(144時間)の天地創造

5-17.種類に従って

水に群がりうごめくすべての生き物と、その種類にしたがって、翼のあるすべての鳥を創造された。神は見て、それをよしとされた(創世記1:20~21)。

 血の通う「いのち」のあるもので最初に造られたのは、海と大空を生活の場とする生き物でした。魚だけでなく水に住むすべての動物と、大空を飛ぶすべての鳥を同時に創造されたのです。
進化論による仮説では、最初に海生動物が出現し、次いで陸生植物が生じ、その後に陸に上がった動物が「進化」して鳥が出現したとされています。この仮説は、聖書に書かれている順序とは異なります。
この項に至るまで順次学んできた通り、青草、樹木、果樹など複雑なすべての、いわゆる高等植物が先に創造され、その後でいのちを持つ海生動物と鳥が同時に創造されたのです。
目的も計画もなく「偶然に進化した」発生の順序が、全知全能の創造主が永遠へとつながる叡智によって企画、創造された順序と異なっているのは当然のことだと思われます。


 海の「巨獣」と翻訳されている言葉は、「竜」とも訳されている言葉で、水中で生活する恐竜、水竜、海竜と呼ばれる大きな水性爬虫類と考えてもいいかも知れません。
又、海に住む鯨などの哺乳類もこの時に創造されたことは明らかでしょう。進化論では、一度進化して陸に上がった鯨の祖先が海に戻って進化し、遂に鯨になったと推測しています。鯨の祖先と考えられる化石は発見されていませんし、その陸上の祖先と鯨との間にいた中間的動物の化石も存在しません。
空を飛ぶもの、翼のあるものがこの時に創造されたので、鳥だけではなくコウモリなど飛ぶことの出来る動物はこの時に創造されました。進化論では鳥は陸生恐竜のような爬虫類から進化したと信じられていますが、聖書の創造の順序は、鳥が先で陸生恐竜はその後なのです。

 「種類にしたがって」という表現が、この21節に2回出てきますが、1章全体では10回も出ています。植物の創造に関して3回(11節に1回、12節に2回)、海の動物と鳥の創造に関して2回(21節に2回)、そして家畜、野の獣、這うものに関して5回(24節に2回、25節に3回)、繰り返し、繰り返し「種類にしたがって」と書かれています。
これら植物や動物がそれぞれ「種類にしたがって」創造され、繁殖することが、創造主にとって重要であったことが分かります。この「種類」という言葉が、生物学的分類体系のどの用語に相当するかについては、統一見解は現在無いようですが、この「種類」の境界を越えて変異することは完全に不可能なものとして創造されたと考えられます。生物は、それぞれの種類にしたがって増殖し、他の種類と混ざって子孫を生じることはあり得ないことなのです。

 「神は、みこころに従って、それにからだを与え、おのおのの種にそれぞれのからだをお与えになります。すべての肉が同じではなく、人間の肉もあり、獣の肉もあり、鳥の肉もあり、魚の肉もあります」(Ⅰコリント人への手紙15:38, 39)と、創造された種類は不変であると述べられており、又「種類」という用語の補足的説明が、レビ記11章13~32に少し書かれています。
水の生き物と翼のある生き物を創造した後に、創造主は「よし」とされました。創造主は創造の過程の進行にしたがって、その節目、節目において作品を点検して「よし」と判断しておられます。創造が完了したときにはご自身の作品すべてを点検して、特に、「非常に良かった」と最終評価を与えられました(創世記1:31)。


参考文献:「創造」vol. 4, No.2 (2000);「創世記の記録」ヘンリー・モリス著、創造科学研究会