6-38.氷河期

第6章 ノアの洪水

6-38.氷河期

あなたは、深い水を衣のようにして、地をおおわれました。水は、山々の上にとどまっていました。水は、あなたに叱られて逃げ、あなたの雷の声で急ぎ去りました。山は上がり、谷は沈みました。あなたが定めたその場所へと(詩篇)。天は古い昔からあり、地は神のことばによって水から出て、水によって成ったのであって、当時の世界は、その水により、洪水におおわれて滅びました(Ⅱペテロ3:5, 6)。

 地球全体を覆い尽くした大洪水は、約二百五十日も山の上まですっぽりと覆っていました。地球に、その上に生きる動植物に、そして人に及んだ大洪水の影響について、このノアの洪水シリーズで様々な観点から述べてきました(「水の中に封じ込められた地球」「あらゆる種類の肉なるもの」「大洪水の中に埋没した地球」「一年と十日目の乾いた土地」「完璧な地球の壊滅」「地球が存続している限りは」「人と動物との敵対関係」「寿命に及ぼした影響」)。そして、「荒涼たる世界」には要約を記述しました。

 ノアの洪水後、地球を取り巻く大気、地球、地上の動植物など、すべての地球環境はどのように推移したのか、水が「地をおおい、山々の上にとどまって」「山は上がり、谷は沈み」そして「滅びました」という聖書の証言が、どのような具体的証拠として残されているのかを少し考えたいと思います。
各方面の科学者は地球の上空、地上、そして地下に現在残されている物証を基に、専門的・科学的検討をしてきています。
上空の水蒸気層などにより地球全体が温暖な気候に保たれていましたが、地球を保護していたこの水蒸気は大雨となって地上に降り注ぎ、地中からの水と一緒になって荒れ狂う大洪水となり、地底までひっくり返し、地球を覆い尽くして地表の温度は下がりました。
こうして地球に短期間の氷河期がもたらされたと多くの科学者が考えています。氷河時代は何回もあったという説もありますが、一回だけだったという強力な証拠もあり、科学者の意見は対立しているようです。

 シベリアで凍結状態で発見されたマンモスのことはあまりにも有名ですが、マンモス以外にも、ヒツジ、ラクダ、サイ、パイソン、ウマ、トラ、ウシ、ライオンなど保存状態の良い凍結動物が数え切れないほど数多く発見されているようです。
すべて完全な状態で発見されたわけではありませんが、それでも、北シベリアや、或いはアラスカの内陸において、約五百万頭(久保有政氏によると五千万頭)ものおびただしい数のマンモスの遺体が氷漬けになり、或いは堆積層の中で凍結状態になって埋蔵されています。

①マンモスの遺体の保存状態は驚異的に良好で、多くは立ったまま、或いは膝をついて、ごく自然な姿勢をして凍結しています。これは、環境変化が徐々に起こり、そして死がゆっくり訪れた場合には考えられないことです。
②外的な損傷はほとんど無いので、川や穴や谷に落ちたというような、物理的力が働いたという仮説は排除されます。
③非常に新鮮な状態で保存されており、「解凍されたマンモスの肉は犬が喜んで食べるほどであった」と書かれています。マンモスという個体は死んでいましたが、細胞や組織は生きていたのです。このことは冷凍作用が強力で急激に起こったことを強く示唆しており、ゆっくり死が訪れたとは考えられません。現代の科学技術の進歩により、凍結されて生きのびた細胞や組織から、マンモスを再生することが出来るであろうと期待されています。
④温帯地域に育つ青草、ヒヤシンス、キンポウゲ、スゲなどが、マンモスの口や胃の中に消化されずに残って発見されていることもあまりにも有名な事実です。このこともまた、口の中、胃の中に入った植物がどんな変化も受けないうちに、死が非常に急激に襲ったことを明白に示しています。
⑤温暖な地域の植物が口や胃の中に残っていたという証拠と同時に、マンモス自身が極寒の地に住む動物の重要な特徴、皮脂腺(油を出す腺)を皮膚に持っていません。ノアの洪水によって急激に訪れた氷河期までは、シベリア、アラスカを初め地球の極地は温暖な地であり、キンポウゲが育ち、マンモスなど温暖な地に住む動物が生息していたと考えられます。

「気候が徐々に変化して氷河期が訪れ、マンモスは寒さに耐えられず、立ったまま凍え死んでその場に埋まった」とか、「氷河が来て食物が無くなって死滅した」など、環境の穏やかな変化によるという進化論的説明では、上記の事実との決定的矛盾点が説明できません。
あるいは「マンモスがこれら草を食べている最中に、穴か川に落ちて死んだ」という説明もまた、何百万頭ものマンモスが、号令を掛けられたように一斉に青草を口一杯に入れて、その途端にどこかへ落ちて何の怪我もせずに死に、しかも腐敗が生じる前に凍結したというのは、やはりあり得ない想定です。

ノアの洪水という大激変によって、特に極地は非常に冷えて氷河が生じたことは理解できる変化であり、この激変の氷河期に多くの動物が突然氷の中に閉ざされて、突然死、急激凍結が起こり、現代にその足跡を残していると考えられます。

参考文献:「進化論の争点」シルビア・ベーカー著(宇佐神正海訳)聖書と科学の会、「創造論の世界」久保有政著、徳間書店